📕「朽ちないサクラ」柚月裕子(#1879)


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クレーム電話が鳴り止まない県警本部・広報室。
地元新聞が、ストーカーの被害者が県警の怠慢により殺害される
という記事をすっぱ抜いたから。
殺された女子大生の両親は、何度も警察に相談していたにもかかわらずまともに取りあってもらえず、
ようやく受理されたその二日後に起きた事件でした。
もう少し早く処理が行われていれば、女性は殺されずにすんだのでは・・・。
しかもそれだけではなく、実はストーカー事案を担当する課が
その間に慰安旅行へ行っていたという大スキャンダル。

それにしても、地元紙はどうしてこの情報を掴んだのか、
県警内では腹の探り合いが・・・。

苦情対応に追われる森口泉は一抹の不安を感じていました。
彼女は地元新聞に入社していた高校時代の親友に慰安旅行の件を思わず漏らしていたから。
泉は固く口止めしたものの、ひょっとしてスクープは彼女が書いたものではないかと疑い、問い詰めてしまったのでした。
親友は絶対に違うと言い、それを証明すると言って別れました。

ところがそれから間もなく、親友は遺体となって発見されました。
親友の言葉を信じきれず自責の念にかられた泉は
事件の真相を明らかにするために、警察学校の同期の磯川に協力を求め、
独自に調査を開始するのです。

しかし、二人の捜査が核心に迫っていくに連れ、
県警内部の様々な人物の思惑や事情が明らかになり
事件はもっと深い闇の中へとその存在を隠していくのです。


前回読んだ「孤狼の血」が本当にヒリヒリするような読後感で、
まるで女性の作家さんとは思えなかったのです。
が、それに比べると本書はやや軽いタッチというか
(内容は重いのですけどね)
あ、これは女性の筆、って感じさせるものでした。
(だから悪いのではないのだよ)


警察小説を読んでいると時々まったく警察が信じられなくなることがあるのですが、
本書もその一つかな。
本当のところはどうなのかわからないけど、近いものはあるのだろうと。
一生知りたくもないし、関わり合いたくもない。

「警察を辞めてもいいぞ。
この仕事は理不尽なことが多すぎる」
これに対して泉の出した結論は潔かった。
警察をやめる。
もう一度警察を受ける。
今度は事務官ではなく、警察官として。

泉は警察官になれるのかな。
磯川クンとのその後も気になるし、続編を期待します。



重箱の隅つつき:
泉のことを「お嬢ちゃん」なんていう上司・・・
ステレオタイプだけど、こんな人いまだにいるのかしら、警察には。
参考人として事情徴収を受ける場面とか、上司と語る場面で泉は
終始、親友のことを普段の呼び名で語ってる。
ここはやはり名字であるべき、だな。

「犠牲の上に治定があってはならない」
この信念を貫いて警察官に






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by norimaki24 | 2018-09-24 20:24 | BOOK | Comments(0)

好きなことだけ全力投球「読書と旅とBIGBANG」を合言葉に日々の出来事を綴ります。旧ブログはhttp://non2.exblog.jp/


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