📕「みかづき」森絵都(#1832)

a0344593_10514516.jpg



久しぶりです。
時代小説でもミステリーでもなく、文芸作品?読むのは。

去年の2月15日に予約したもので
なんと、1年3ヶ月も経ってようやく届きましたよ。
・・・なんでこれ予約したんだっけ?
どんな内容だったっけ?
そりゃあ忘れますわなぁ。

ハードカバーの上結構な厚みでして
できれば持ち歩きしたくない。
なので、タイミング的にはこのGW中でほんと良かった。



舞台は昭和から平成にかけての激動の塾業界。
常に教育に関わってきた大島吾郎に始まる親子三代の歴史が
そのまま学習塾の変遷記ともなっており、
かなりスケールの大きな大河ロマンと言えるでしょうか。

先ずは吾郎の視点から始まり
続いては妻千明、そして最後は孫の一郎という
3つの視点で描かれているのですが
最初の1ページめからスーッと入り込みました。

この大島吾郎というキャラクターが実に良いです。
程よく鈍感でおおらかで適度に助平で。

昭和36年。
教員免許はないものの、「教える」という才能に思いっきり恵まれた吾郎は小学校の用務員。
授業についていけない子供たちが次第に用務員室に集まるようになります。
その中のひとりが蕗子。
実は蕗子は母に頼まれ、ひそかに吾郎の教えっぷりを観察するために用務員室へやって来てたのでした。
やがて蕗子の母に請われて吾郎は一緒に学習塾を始めるのです。

第二章からはシングルマザーであった千明と吾郎は結婚し、
千明の母頼子と娘の蕗子と女系家族の黒一点として
新しい大島家がスタートしていました。

ベビーブームと経済成長を背景に塾は順調に成長していきます。
しかし、吾郎は補習塾に、千明は進学塾にと
二人の見解が分かれついに吾郎は塾を去ることになるのです。。。


間違いなく本書は良書ではあるのと思うのですが
ワタシも息子も塾とは無縁の生活だったので
(あ、公文にいくもん!は別として)
正直、塾業界の描写が続き過ぎてちょっとへたった部分もあります。
戦後教育の迷走ぶりを憂慮するが故というのは分かるのですが 
ちょっと熱すぎたように感じました。
また、千明の性格がエキセントリックで引く場面も多々。

むしろ三世代の家族ドラマとして読んで引き込まれました。
なにしろ、norimaki一番印象に残ってるのが谷津遊園のくだりって💦💦💦
(懐かしすぎて、次は船橋ヘルスセンターが出てこないかなと期待した)

「ああ、奇遇だ」
「はい?」
「私も、ちょうどあなたを見て、誰かに似ていると思っていたところですよ」
吾郎はまぶしげに目を細め、いとも嬉しそうにほほえんだのだった。

このラスト4行に五郎の思いが凝縮されていていいなぁ。
読後感がすこぶる爽やかでした。

満月足りえない途上の月である三日月になぞらえたタイトルもいいですね。



[PR]
名前
URL
画像認証
削除用パスワード
by norimaki24 | 2018-05-07 20:17 | BOOK | Comments(0)

好きなことだけ全力投球「読書と旅とBIGBANG」を合言葉に日々の出来事を綴ります。旧ブログはhttp://non2.exblog.jp/


by のりまきんぱぷ
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31