📕「暗幕のゲルニカ」原田マハ(#1743)



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もう8年ほど前になりますが、ツアーで駆け足スペインを旅行した際、
マドリッドのプラダ美術館でゴヤやベラスケスの名画を鑑賞した後
ソフィア王妃芸術センターという美術館へ立ち寄りました。
ここは本当にゲルニカを見るだけのために訪れた場所。

レプリカではない、ナマのゲルニカを見るのは初めてのことで
とても強い印象を受けました。
なぜこの絵が門外不出なのか
本書を読んで納得し、あのときもっとしっかり観ておくべきだったと
ただ今激しく後悔ナウです。。。(;´Д`)

2003年、アメリカを中心とした連合軍がイラク空爆に踏み切るという前夜
パウエル国務長官が会見した、国連安保理事会議場のロビー。
その背景にはあるべきはずのものがなかった。
いや、あったけど暗幕により隠されてしまっていた。
それがゲルニカのタペストリーだった。。。
本書が書かれた下地にあったのはこの事実でしたが
これに関しては全く知らなかったので驚愕でした。

norimaki基本的にアートは己の直感のままに観ればいいと思ってましたが
本書を読んで、やっぱり背景、それを描いた筆者のメッセージを知るというのは
大事なことなんだなぁと改めて思った次第です。

***

反戦のシンボルとしてあまりにも有名なピカソの「ゲルニカ」は
当時、パリ万博におけるスペイン館の目玉として出展されました。
そんな、ゲルニカの誕生に伴うピカソとドラ
(あの「泣く女」のモデル)の物語と
その後の大戦を経て、この大作がたどる数奇な運命に関わる日本人キュレーター瑤子。
過去と現在の二つのストーリーが交互に進行していきます。

その二つの時代のそれぞれの序章がとても象徴的です。
まず、ピカソと愛人ドラのもとに飛び込んだニュースは
「ゲルニカ、空爆される」の一報。
一方、瑤子の場合は、2001年9月11日・・・同時多発テロ。
それぞれの悲劇が、ピカソにはゲルニカを描かせ
瑤子には、門外不出のゲルニカをメインにした
ピカソ展の開催へと駆り立てることになります。

もうこの導入がとっても上手です。
さらに最後の最後ですべての接点がつながるところも
お見事としか言いようがありません。
あまりに出来すぎているので
どこまでが史実なのか、そうでないのかが
よくわからなくなります。

巻末に原田さんが21世紀パートの登場人物は
全てが架空の人物ですって書いてらっしゃって
それがとても残念に思えたほど。
実際にあんなスリリングなやり取りや
気の利いた会話があったらって想像してしまいました。

瑤子がゲルニカを借り出そうと奮闘する姿を読みながら
なぜゲルニカが世界一借り出しにくい絵画であるのかというのも
よーくわかりました。
このあたりもとても面白かったです。
拉致事件については若干唐突感否めずですが(^_^;)



ピカソスゴイわ。
ゲルニカの数奇な運命もスゴイ。
アート好きな人でなくても
文章が読みやすくて表現もわかりやすいので
とっつきやすいと思いました。
おすすめです。

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by norimaki24 | 2017-06-17 22:39 | BOOK | Comments(0)

好きなことだけ全力投球「読書と旅とBIGBANG」を合言葉に日々の出来事を綴ります。旧ブログはhttp://non2.exblog.jp/


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