📕「神の子(上・下)」薬丸岳(#1762)



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ヤッくんも(あ、毎度言ってますが親しみを込めての薬丸さんです)
コンスタントに読み続けている作家さんの一人です。
まったく何を読んでもまず面白く
読み始めたら止まらない~の一気読み作品ばかり。

本書も結構厚みのある文庫の上下巻でしたが
物語がどこに行こうとしているのか先が読めず
緊張感途切れることなく最後まで楽しめました。
少なくとも「Aではない君と」や「友罪」とか「誓約」のように、
じっくり考え込ませるスタイルではなく、
エンタメ性の強い作品であることは確か。



少年院入所時の知能検査でIQ161以上を記録した町田博史。
戸籍すら持たぬ数奇な境遇の中、他人を顧みず、
己の頭脳だけを頼りに生きてきた。
そして、収容された少年たちと決行した脱走事件の結末は、
予想だにしなかった日々を彼にもたらすこととなる。
一方、闇社会に潜み、自らの手を汚さずに犯罪を重ねる男・室井は、
不穏な思惑の下、町田を執拗に追い求めていた。
身元引受人の町工場で働きながら、大学に通い始めた町田。
知り合った学生たちの起業を手伝うことにもなり、
他人と過ごす時間が彼の心を少しずつ解きほぐしていく。
だが、忌まわしい過去は、彼を易々と手放しはしなかった。
ふたたび町田に接近する室井の真意とは・・・
(文庫版表紙カバーから引用)


ヒロシが更生できず、とことん落ちていくストーリーになるのかなぁと
いささか暗澹たる気持ちで上巻を読み進めました。
そして、どうにも気になってたまらなくて
下巻を手にするや、
思わずラストをチラ見してしまった。
が、なんかそうでもないようなうれしい一行。

徹底的に心を閉ざしてしまったヒロシですが、
根っこの部分では悪人になりきっていない。
それがわかるから、あんな奴でも可愛く思えてしまう。
彼が次にどんな手を打ってくるのかがまるで予測できず、ドキドキしました。

それと同じくらい、室井が気になりましたねぇ。
ただ室井という名前だけで、勝手にギバちゃんをイメージして読んでいました。
キャラ的にはよくある、裏社会の大ボス。
上巻では非情な男として描かれていますが
下巻では若干ニュアンスが変わってきます。
しかも、裏ボスの背後にはさらに大物フィクサーのラスボスがいたとは。
ラスボスの割には意外に簡単にやられちゃいましたが。💦
つまり室井の頭脳がそれだけ秀でていたたってことか。
が、その室井も病には勝てぬということで・・・

しかし若干気になったのは上下で作品のイメージが変わってきたこと。
キャラで大化けしたのは少年院の教官である内藤。
前半は真面目ではあるけれどあまりやる気も感じられず、
もっとしっかりしてよと思いましたが
下巻では一転、仕事までやめてナゾをとこうとする。
あげく、最後の最後には探偵になる?

新しくキャスティングされたのが学生たちということもあり
ちょっと青春モノのようにも読めたりもして。
為井兄弟の話とかは池井戸さんの「アキラとあきら」思い出したり。
変人科学者なんぞも、これまでのヤックンのイメージではなかったような。

とにかく色んな要素がたっぷり詰め込まれていて、面白かったです。
最後の一行、カギカッコ入れてもたった5文字だけど、救われたー(^_^)v



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Commented by kiraln at 2017-09-12 10:58
面白かったです(●^o^●)
それぞれの章が余韻を残しながら終わり(それもイイ感じで)
次が気になって手が止まりませんでした。
ホント 途中はどうなるかと思っておりましたが
ノリさんの書評で安心して読み続けることが出来ました。

ただ。。。
お初の作家さんなので判らないのですが
女子の描き方がステレオタイプで苦しかったです。
美人で 頭がよくって 気さくで 人望も厚く お茶目。
男性作家さんが描きがちな女子像でした(笑)
だから感情移入が出来ず、あそこまで惚れ込んだ為井長男の気持ちがイマイチ不明。
兄弟で美人&出来る女子に弱いってことかしらん(笑)
でも雨宮美香を使いまわしすぎやしないか。。。(笑)

内藤ねぇ~。首を突っ込み過ぎて
組織から消されるんじゃないかとドキドキしました(楓しかり)
でも転職先が”探偵”って(笑)

最後の五行 良かったですね。

またおもろい本を紹介してくださいねヽ(^。^)ノ
Commented by norimaki24 at 2017-09-12 21:28
> kiralnさん
雨宮美香使いまわしすぎって、ウマイ!
全くそのとおりですよね。
ヤックンの小説ってあんまり女性が全面的に出てこない気がします。
(たまたま私が読んだのがそうなのかもですが)
あまり書き慣れていないのかな?
エンタメ色は薄いですが、正統派の社会はミステリーもとても面白いので
他の本も是非読んでみてください。
私の中では現代小説なら、困ったときのヤックンです(^_^)v
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by norimaki24 | 2017-09-07 21:19 | BOOK | Comments(2)

好きなことだけ全力投球「読書と旅とBIGBANG」を合言葉に日々の出来事を綴ります。旧ブログはhttp://non2.exblog.jp/


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